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DX FrontLine2塗料業界の受発注の効率化を図る「GOOD JOBシステム」の導入

(左)日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社 IT&ソリューション部 情報システムセンター ビジネスアプリケーション室 室長 山岡崇仁さん
(中)日本ペイント株式会社 営業本部 販売管理室 課長 矢澤純一さん
(右)日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社 IT&ソリューション部 ビジネスアプリケーション室 エンタープライズシステムサービスグループ リーダー 岩満暁介さん

矢澤 日本ペイントの製品は、取引先である塗料販売店に販売する商流となっており、塗装店や施工店との取り引きは塗料販売店が行います。以前から、メーカーと塗料販売店の間には塗料業界で用いられている業界標準EDIシステムという発注の仕組みがあり、ウェブにも対応していました。しかし、販売店と塗装店・施工店間のやり取りは、ほぼFAXや電話、LINEです。聞き間違えなどの人的なミスが起こりやすく、かつ、受けた注文をその都度データ入力し、メーカーに発注しなければならないという手間がありました。
山岡 そのような商流の中、業界標準EDIシステムがサポートをやめることになったため、当社では独自のEDIシステムを構築し、2020年1月から運用をスタートさせたのです。そのシステムでは、販売店からの要望に応えてモバイル機能を構築し、販売店の業務効率の改善に貢献できるようにしました。
矢澤 大変好評を得たのですが、販売店と塗装店・施工店のやりとりは変わらずアナログ受注のままでした。各販売店から、塗装店・施工店との間にもEDIシステムがほしいとご要望を頂いたのですが、各店ごとにシステムを作るのはコストも管理の手間もかかります。そこで、共通のオンライン発注システムとして「G
OOD JOBシステム」をリリースしました。
これを使うことで、販売店はデータで注文を受けられます。また、塗装店・施工店は、スマホを使って24時間いつでも、また現場からでも手軽にオーダーできるようになりました。販売店に届いた受注データは、必要に応じて当社のEDIシステムと連携して発注を行えるため、注文情報が早く頂けることになり、当社の物流作業の準備も早まるなど、全体最適が生まれてきます。
今回、加えた機能の中でとくに好評だったのが、いわゆる“お気に入り機能”です。塗装店・施工店では注文する商品が決まっていることが多いため、現場単位で商品登録ができるようにしました。膨大な商品の中から選び出す手間が省かれ、注文は数量を入れるだけで済みます。また、注文に対する販売店からの納期回答を知らせる通知機能も喜ばれています。
最近では、販売店の販売管理システムとの連係機能を実装しました。「GOOD JOBシステム」から販売店の販売管理システムに受注情報を連係することで、これまで注文情報を販売管理システムに手入力していた運用が不要になり、さらなる業務効率化が可能となりました。
岩満 ベースはベンダーに依頼していますが、EDIのシステムを作ったメンバーが主体となり、より使いやすいシステムになるよう社内で試行錯誤して完成させました。営業や業務担当者など、現場を理解しているメンバーが多く携わっています。

多くの潜在顧客にも
情報提供が可能に

矢澤 「GOOD JOBシステム」は利便性を重視し、塗料のほか、刷毛やローラーなど関連商品も販売店がマスタ登録することで取り扱いが可能となっています。
ご利用頂くユーザの拡大に重心を置くことで、このシステムによって私たちにも大きなメリットが生まれました。それは商品の認知拡大です。もちろん、自社サイトやパンフレットでも紹介していますが、興味を持った人にしか見てもらえません。営業がアプローチするにしても、すべての塗装店・施工店をまわることは到底不可能です。ですが、このシステムを通して、塗装店・施工店へ直接、商品のPRができるようになりました。その結果、コロナや経済状況などの影響により市場全体の塗料需要は変動するものの、「GOOD JOBシステム」がスタートして以降、シェアは伸びています。
山岡 発注という機能においては、ほぼ完成に近いですが、まだ今後も業務運用における利便性など進化させるべく、開発を続けています。
岩満 システムはリリースして終わりではなく、運用していかなければなりません。もっと業界の効率化を進めるために、お客様の声を反映しながら、よりよいシステムづくりを目指したいと思います。

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