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Interviewインタビュー

独自の技術を活用し、製造業に変革を起こす

(左)コンサルティング事業本部AIコンサルティング部 マネージャー

髙見 豪

(右)コンサルティング事業本部AIコンサルティング部 マネージャー

劉 琢(リュウ タク)

出典:ビズリーチ 公募ページ「横河デジタル株式会社」(2026年3月10日公開)より一部改稿・転載

01

コンサルティング現場に宿る横河グループのDNA

──ご経歴と現在の担当業務について教えてください。

私はもともと東京工業大学(現・東京科学大学)でプログラミングや情報科学を専攻し、大学院ではバーチャルリアリティーを研究していました。2010年に横河電機へ入社した後は、工業用センサーの設定ソフトウエア開発に従事し、2016年ごろからAIを活用したデータ解析に携わるようになりました。 その後2018年に自動制御AIの開発や実証実験を担当する形になり、2022年の横河デジタル立ち上げの際にジョインすることになったのです。現在はAIコンサルタントとしてお客様に対してコンサルティングを行うほか、技術を活用したサービス開発に従事しています。

──AIコンサルタントとしての仕事は、どのような流れで進むのでしょうか?

まずは業務の流れや制約条件を整理して、「どこがボトルネックなのか」「何が変われば最大のインパクトが出るのか」を見つけるところから始めます。それが見えてきたら、小さく試作して実際に使っていただき、フィードバックをもとに調整していく。最初から完璧を目指すのではなく、「まず動かし、対話しながら直していく」のが私たちのスタイルです。 AIとは、既存の製品を導入するだけで成果が出るものではありません。現場ごとにデータの状況が異なりますし、運用のルールも違います。だからこそ、AIとコンサルティングはすごく相性がいいと感じています。私たちは、最初からツールありきで話を進めることはしません。「AIで何ができるか」より、「何をどう良くしたいのか」という本質的な目的を、お客様と一緒に整理することが大切だからです。 現場へ足を運び、実際に触れる方の声を聞き、使える形になるまで伴走する。横河グループには、現場・現物・現実の3つの「現」を大切にする「三現主義」という考えがあるのですが、今自分たちがやっているのは、まさにその実践です。理論だけで進めるのではなく、実際の運用に合わせて作り込んでいく。自分自身もコンサルティングに携わるようになってから、改めてこの価値観の大切さを実感しています。

現場に合わせて育てて実装。AIとコンサルティングが創る真の価値

──髙見さんが開発に携わった独自のAI「FKDPP」について概要や特徴を教えてください。

FKDPPは、横河デジタルを設立する前に横河電機と奈良先端科学技術大学院大学で共同開発したプラントの自律制御AIです。横河電機は、もともと製造業向けの計測・制御機器を作ってきた会社なので、現場での運用の大変さはずっと見てきました。「製造現場の仕事を楽にできないか」という発想から始まったプロジェクトです。 その特徴は、強化学習という「AIが自分自身で学んでいく」手法をベースにしていながら、圧倒的な短期間で学習を完了できる点です。一般的な強化学習は何万回、何十万回と試行錯誤を繰り返してからようやく実用レベルになるケースがほとんどです。 そこでFKDPPでは、シミュレーター上で学習させつつ、現実の運用を見据えて探索の進め方を最適化しています。その結果、ケースによっては2~3日程度でモデルを作って「実現可能性がありそうかどうか」を試すことも可能となりました。この「すぐ試せる速さ」が、現場に実装していく上で、最大の武器になると思っています。

──代表的なプロジェクトについて教えてください。

株式会社ENEOSマテリアルとの取り組みが挙げられます。24時間365日、専任オペレーターがバルブを操作する必要があった工程にFKDPPを導入したところ、手動操作が不要になっただけでなく、蒸気使用量やCO2排出量を約40%改善しました。強化学習AIがプラントを直接制御するものとして正式に採用されるのは世界初です。日本産業技術大賞の最高位である内閣総理大臣賞もいただきました。 また、株式会社CRAFT BANKとの取り組みにおけるクラフトビール製造に活用できたことも印象的です。FKDPPを制御以外にも活用できる方法を検討している中で、ビールのシミュレーターを使い、発酵させる期間を短縮できる実験結果を得ることができました。しかし、香りや味わいといった品質部分が正しくできるかが分かっていなかったため、現実の設備で実験をさせていただく企業を探していた折に、CRAFT BANKさんにご協力をいただけました。FKDPPを活用して見つけた温度計画で、実際に製造していただいた結果、品質は変わらないまま発酵期間を短縮することに成功しました。制御だけでなく、バッチプロセス(一定の条件やスケジュールで生産する方式)の温度計画にも応用でき、幅広く貢献できるポテンシャルを証明できた事例です。

──どのような方が貴社のAIコンサルタントに向いていると思いますか?

「技術に向き合うのが好きな人」こそ、このポジションで輝けると思います。私自身の経験から言えるのは、フロントに出てお客様の課題に向き合ったほうが結果として研究・開発の領域でも前に進むということです。「この制約があるなら、技術側はこう工夫すべきだな」といった気付きが、クリアに見えてきますから。 コンサルティング業界が未経験であっても、AIに知見を持ち、どうビジネスに活用するかを楽しみながら考えられる方であれば、大歓迎です。コンサルティングスキルは入社後にいくらでも身につけられますし、会社としては海外の国際学会への派遣をはじめ、最新トレンドをキャッチし続ける文化もあります。製造業の土壌を持つ当社で、当社独自のAI技術を発展させながら、一緒に世の製造業へ貢献していきましょう。

02

研究室の「仮説」を現場の「確信」へ。見いだした、AIの真髄

──これまでのご経歴と、横河デジタルでAIコンサルタントとして働くようになった経緯を教えてください。

大学院で博士号を取得した後、横河電機に新卒で入社しました。最初の配属先は技術研究開発部門です。それから数年間は石油化学プラントのデータ解析アルゴリズムの研究開発に没頭する日々で、お客様と直接コミュニケーションをとる機会はほとんどありませんでした。 転機となったのは、開発した技術を実際のサービスとして世に送り出すため、ビジネス推進部門へ異動したことです。そこで私は、これまで立てていた「仮説」と、実際の「現場ニーズ」との間にある大きなギャップに直面しました。技術がどんなに優れていても、お客様に「何のメリットがあるのか」を納得していただけなければ社会に実装されません。その厳しさを痛感し、必死にその溝を埋める努力を続けました。 現在は、横河デジタルで、AIコンサルタントとして活動しながらAI研究開発グループのマネージャーを務めています。主な役割は、お客様の課題を直接ヒアリングし、それらを解決するための技術提案や要件定義をリードすることです。研究開発から一歩踏み出し、現場の課題を確実に解決することに、大きなやりがいを感じています。希望する働き方を後押ししてくれる土台があるのは、横河グループの特徴です。

──現在の業務で意識していることはありますか。

まずは「今、何に困っているのか」「どんな状態が理想なのか」を徹底的に聞くようにしています。横河グループが大切にする「三現主義」の価値観の通り、現場の課題を解決する鍵は、常に現場にあります。そのためヒアリングの際は、現場の方々に「業務を教えていただく」という姿勢を貫くことを意識しています。 また、解決策を導き出す上では「教科書通りにやらない」ことも信条としています。もちろん技術の原理原則は重要です。しかしテキストに書かれているのは既に解決された事例がほとんどで、私たちが向き合うのは誰も解決できていない未知の課題です。既存の枠組みを踏まえつつ、現場特有の複雑な知見と最新技術を組み合わせることで、現場ごとの最適解を生み出す。そこに私たちの介在価値があると考えています。

教科書どおりにはやらない。使われる現場実装へのこだわり

──印象に残っているプロジェクトについて教えてください。

物流会社の「トラック荷積みプラン」の最適化プロジェクトです。現場では、長らく熟練の担当者の方が膨大な紙の資料をめくりながら、手作業で振り分けを行っていました。物流の現場では多岐にわたる制約条件が複雑に絡み合っており、既存の最適化技術を適用しようとしても、実際の運用に耐えうる解を出すことができず、長年未解決となっていた領域でした。 そこで私はまず現場に足を運び、担当者の方の一挙手一投足を観察することから始めました。どういう順番で情報を確認し、何を基準に判断しているのか。その「思考プロセス」を丁寧にひもとき、数式で定義しきれない暗黙知や現場独自のルールをAIで再現するアルゴリズムを独自に組み立てていきました。 結果として、数時間かかっていた作業を10秒以内に短縮することに成功しました。単にスピードが上がっただけでなく、現場の方々のこだわりや使い勝手を徹底的にアルゴリズムや画面設計に反映させたことで、「これなら使える」と評価していただけて、正式導入まで進みました。どんな技術でも「現場にフィットする形」になって初めて価値を発揮するということを実感したプロジェクトです。

──会社の雰囲気や、候補者の方に期待する素養について教えてください。

私たちの組織は、20代から50代まで幅広い層が在籍していますが、驚くほどフラットです。毎週開催する社内の研究会はその象徴です。ここでは成功事例だけでなく、失敗したことも包み隠さず共有し、全員で対等にディスカッションを行います。 こうした環境でメンバーに求めるのは、基礎的な技術知識はもちろんですが、何より未解決の課題を諦めない粘り強さと、現場の声を吸収する柔軟さ、そして何よりお客様の困りごとに気付ける「サービス精神」です。これからの時代、AIにできることはさらに増えますが、現場の課題を引き出し、適切な要件としてAIにつなぐのは人間にしかできない使命です。 製造業に革新を起こしたい、あるいはエンジニアとして、コンサルタントとして「なりたい自分」を実現したい。そんな志を持つ方にとって、現場と技術の両輪を磨けるこの場所は、最高にエキサイティングな環境になるはずです。共に新しい価値創造し、社会に実装していきましょう。